あの秋


最近、朝晩と昼の温度差が激しい。
もう冬に近づいている証拠だろうか。
でもまだ息は白くならない。

君は秋が好きで、
僕は秋が嫌いだ。

最近、手が異様に冷たくなってきた。
そろそろ秋も終わりごろなのかもしれない。
君の手の温かさが恋しい。

紅葉の秋だ、スポーツの秋だ、と言って僕を外に連れ出す君は
いつも輝いて見えていた。そう今でも
君はきっと笑っている。

結局僕らはひとつにはなれなかったけど。
でも秋は変わらずやってくる。
君は秋が好きで、僕は嫌い。
君がいなくなった季節だから。

木枯らしが足元をさらう。
寒いのは、隣に君がいないせい。