ハート


小さな臆病者のわたし。

殻の中に閉じこもったままのわたし。

あたたかくなっても、底にぽっかりと空いた穴から
冷たい風が吹き抜けて、すぐに冷めてしまう心の奥。

雨に濡れながら悲しみに埋もれても
苦しまず、ただ虚ろな眼で空を見上げる。

手を差し伸べて。掴んで。

声に耳を傾けて。
わたしを呼ぶ声がする。
わたしを導く声がする。

言葉にしなくても分かるでしょ?
抱きしめてくれるその温もりだけで
優しさが
愛が
伝わってくるものなんだ。

雲の隙間から光が差し込んだ。
光の筋を横切って、
この世の全ての色を混ぜ込んだ虹が通る。

声に耳を傾けて。
あなたの中のその声に。