光
くだらない言葉を並べ立てて、
口から出るのは真実じゃない。
苦しいのは誰だって同じ。
それを乗り越えれば、
前に進めるはずなのに。
私はいつも迷うの。
進むか、逃げるか。
どうして後退しかしないのか。
それはきっと、私が弱いから。
一歩踏み出して光を掴むことができたらいいけれど、
間違った道を歩んで、傷ついてしまうのが怖いから。
そのとき誰かの手が
私の震える背中を押してくれて。
私はそれから勇気をもらって、
やっと一歩を踏み出した。
「ありがとう」
「どういたしまして。
でもたまには自分で進まなきゃ。
あなたが光を望むのは、至極当然のこと。
そして光を望むからこそ、
人は迷うのよ。
でも、迷ってもいいの。傷ついてもいいの。
だってその先にも、
ちゃんとあなたの光はあるんだから」