悲恋


自分から蒔いた種なのに
予想済みだった答えなのに

全身にピリピリとくるしびれ
同時に呼吸が怪しくなる
私は目を閉じて
あなたの顔、声、全てを思い出さないようにする

唇を噛み締める
何も考えられなくなる前に
寒気が走る
愛は世界を滅ぼすためにある

しびれは私を壊していく気がするの
心も汚くなっていく気がするの
目を閉じたらまた思い出してしまって
目を開けたら涙が出てくる
全て消えてしまえばいいのに

だけど
しびれを感じなくなってしまったときは
恐怖のとき
私の心は奪われる―――無に

横になり、あなたを戸棚に閉まって夢をみる
声を嗄らして必死に叫ぶ「愛して!」
私が消えていかないように、暗闇に縋り付く
本当は現実なのかもしれない
まだ全て空想だと思いたいのに
あなたはいつの間にか、私の目の前に平然と立っている

朝になって気付いたことは
抜け殻の心と頬に残った涙の痕
またしびれがやってくるのなら
大人しく従うしかない私は愚か?

疲れたなら、癒してあげるから
眠るのなら、子守歌を歌ってあげるから
私を置いていかないで
私の声を聞いてあげて
あなたの世界に踏み止まらせて
1秒と長く
ずっとずっとずっと・・・