全てを


私は悲しい。
信じる者がいないから。

私は苦しい。
“奴隷”という名の鎖に縛られているから。

時折それらは、イナズマとなって
私をこがす。

時折それらは、ムチとなって
私を叩く。

心が叫ぶ。
「やめて!」と

しかし、私はそれを声として出そうとはしない。

いつかきっと、
私を解き放ってくれる者が現れる。

いつかきっと、いつかきっと、
私を”幸せ”という楽園に連れて行ってくれる者が現れる。

私はその小さな1つの希望に、全てをかける。

たとえ心が叫び疲れ、
朽ち果てたとしても。


そう、全てを。