あれは夏ももう終わりに近付いて、段々と涼しくなってきた頃だった。 私は初めてあいつの家に遊びに行った。 今まで何十回と遊んだけど、家には入ったことがなかった。 大きくて真っ白な家で、どこもかしこもちゃんと整理されていた。 あいつのお母さんは美人で、あいつによく似ていた。 ゲームをしたり、2人でトランプをしたりした。 時にはお茶を飲みながら、他愛もない話をしたりして。 あいつといると、いつも楽しい。 何をしても楽しいから、ついついにやけてしまう。 「何笑ってんの?」 「あんたといるのが楽しいの」 正直にそう伝えたら、あいつは顔が少し赤くなって、ありがと、って呟いたっけ。 あいつとの楽しくて、かわいい思い出だ。